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zoom RSS 昨夜は韓国の現代詩人の前で時調を朗読した

<<   作成日時 : 2010/07/10 23:37   >>

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 昨夜は詩と俳句のものすごい交流会に参加した―「日韓の詩と俳句交流&朗読の会」。
 2008年の「東京ポエトリー・フェスティバル」に参加された韓国の女流詩人韓成禮さんから、詩人で俳人の八木忠栄さんに、新宿で日韓の交流会を開くので日本の詩人・俳人を招待したい、という急な話があり、夏石番矢さんに参加者募集の至急便の話があり、その至急便が6月29日に私に届いた。実施日まで、10日。
 至急とあったので、即刻、参加申し込みと俳句2句・時調3首(日本語2、漢語1)の朗読のエントリー。
 八木さんから参加OKの連絡をいただいたが、急な話だし、私のごときが日本の俳人として参加するのだから、日韓十数人程度の内輪の会合だろうと思って昨日を迎えた。
 会場についてみると、予約の席は10人程度。まあ、そんなところだろうと思っていたら、韓成禮さんが現れ、韓国の現代詩人三十人余の団体と合流し、案内されたのは大広間。予約の席は10人程度、というのは、店の人から要領を得ない話を聞いた私たち日本側の勘違いだった。

「日韓の詩と俳句交流&朗読の会」
 日本側は、詩では八木忠栄、中上哲夫、新井孝子、鈴木孝、紫圭子、原田道子、俳句では夏石番矢、鎌倉佐弓、そして私。
 韓国側は、TPF2008で詩を朗読した韓成禮さんのほか、韓国の錚々たる詩人たち二十人余。同行取材の記者もいて日韓総勢四十人程度。
 会はソウル大学の名誉教授の女性詩人柳岸津さんのすばらしい朗読に始まり、韓国現代詩の美しい響きを堪能した。

 わたしが韓国語について知っていることは、
1 日本語とほぼ同様の文法構造の言語であること、
2 日本の仮名文字は母音と子音を判別できず、表音文字としてはおそらく世界でもっとも原始的な文字であるのに対し、ハングルはとても工夫されている表音文字であり、意味のまとまりを端的に示せる漢字表記の長所もとりいれて、おそらく世界でもっとも進化した表音文字であること
 ぐらい。そして、ハングルには、幕開けの柳岸津さんの朗読がすばらしかったことにもよるが、散文とは明らかに違う詩の朗読を可能にする音韻的な美しさがあることを知った。
 日本語の音はせいぜい100ぐらいだが、韓国語の音は、300も400もあるように耳には聞こえ、それが緩急を生み、緩急に思いを乗せることを容易にしているように思えた。
 語末に頻繁に発語されるda音が、脚韻を踏むように聞こえる時もあった。
 韓成禮さんがTPF2008で自作を朗読したとき、「韓国は詩国」であると胸を張っていたが、なるほどと思えるそれが、韓国の現代詩人の朗読にはあった。

 しかし、もっと驚いたのは、その韓国の現代詩人数十人の来日の目的が、芭蕉の「奥の細道」の旧跡を尋ねる旅だとのこと。
 韓国の詩人に韓国語の俳句を読む人がひとりもいなかったのに、なぜ「奥の細道」なのか、とも思う。

 そして、もうひとつのびっくりは、私が10日前にメールで送った俳句2句・時調3首(日本語2、漢語1)の朗読のエントリーが、A4縦80ページのアンソロジーに、ハングルに翻訳されていたこと。時調のひとつは、漢語で、時調全43音12句のすべて句末で平仄両用の押韻をしているもので、読み下しはつけてはいるが、翻訳にはきっと手間取るだろうと思えるもの。押韻のおかげで、中国語は響きがいいですね、とはいわれたり、日本人の時調は初めて見たといわれたが、韻律的には凝ってはいても詩として通用するものかどうかは、不安が残るものだった。

 しかし、それをわずか10日の短時間で、丁寧に翻訳してもらったのだから、まず感謝しなければならないが、それ以上に、韓成禮さんの日本語の能力の高さに驚いた。

 それにしても、「奥の細道」が旅の目的で、どうしてあれだけの現代詩人が集まるのだろう。
 韓国にはハングル俳句が誕生したらしき形跡がないは、あれだけの力のある詩人たちがいてすばらしい朗読があれば、韓国民は詩で充足して俳句どころではない、などと妙に納得してしまうのだが、その詩人たちが、なぜ今「奥の細道」なのか、と思う。
 その旅に、ハングル俳人はひとりもいない、しかし、力のある詩人たちが「奥の細道」で俳句に興味を持ったとしたら、何が起きるのか。力のある詩人たちであれば、
 「奥の細道」で「俳句」をつかんじゃう、そういう人たちが、きっと出てくる、そう思う。

 とすれば、昨日の夜は、ハングル俳句の誕生元年の元旦なのだ。
 そして、その場に、先導的な日本の俳人として夏石番矢、鎌倉佐弓両氏がおり、俳句の富をも知る八木忠栄、中上哲夫両氏ほかの日本の現代詩人がいた、ということが、大きな意味を持つように思う。
 ハングル俳句は、その誕生の瞬間から、世界でもっとも先導的な俳句、現代詩の富を俳句に生かす俳句として、出発するように思う。「詩国韓国(TPF2008の時に聴いた韓成禮さんの言葉)」の俳句は、現代詩としても通用する俳句を生む。

 さて、交流会の二次会では、韓成禮さんから、なぜ時調を作ったのか、と聞かれた。
 わたしは、漢詩作りの体験から、日本の詩歌が五音七音を韻律としていることにはなはだ疑問を抱いています、と答えた。
 時調に七音はなく、あるのは、三音と四音と五音。それも最後に五音がいちどだけ出て、四音、三音と収束していくリズムが素晴らしい。

 それが、わたしが昨年時調を作った理由であるのだが、考えてみれば、時調を作ってから、五七令を作ることが多くなった。
 五七令は、五音・七音の二句一章だが、七音は、四音・三音に句読し、三音・四音には読まない。つまり、五・四・三。四七令の四・四・三も、四・四を対句にすれば悪くはない。しかし、対句にしないのなら、五・四・三の方が落ち着く。
 わたしの五七令は、時調の影響下にある。

   http://shiciankou.at.webry.info/200906/article_45.html
   http://shiciankou.at.webry.info/200906/article_44.html

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