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zoom RSS 黄落(続続続) 漢語俳句は二三二がよいという無知 と漢語短詩六首

<<   作成日時 : 2016/09/06 10:23   >>

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黄落(続続) 五七令と短歌と俳句 と南郷子」について
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 和文に詠み下せば五七五になる漢語の俳句
 それは漢字七音つまりは七言の前後で句作りをするのがよい。
 これはひとつのことをいうのに日本語の音の消費量が
 漢語の倍以上であることを示す。
 「黄落」は漢語ではhuáng luòと2音だが
 日本語では「こうらく」と四音、2倍である。
 そして
 「黄落」が「黄落が」であるのか「黄落を」であるのか
 「黄落する」であるのかなどのことは
 漢語では文脈の前後の文脈から判断するが
 日本語では「が」「を」「する」などの音を加えなければならず
 2倍プラスアルファの音を消費することになる。
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 そこで、和文で五七五ほどのことは
 漢語では七言前後あるいはそれ以下の音数で足りることになる。
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 さて、そういう俳句のひとつの型として
 私は二・二・三に詠む七言俳句を試行している。
 その要件として
.
 1 二・二・三の句の読み下しが和文で五七五になるように詠む。
 2 切れ字が使えないので押韻する。
   押韻には、そこで句を切る働きがあり
   切れ字を用いずとも句を切れる。
 3 三句であるので、三押韻とする。
   ただし、押韻は主押韻を二字目と句末におき、四字目を主押韻と同じ韻部の協韻とする。
   (主押韻が平なら協韻は仄、主押韻が仄なら協韻は平)
   これにより句は、内部に三句の構造を持ちながら三段切れにはならないものとなる。
 4 平仄を調える。
.
 という作り方をしている。
.
 しかし、
 和文の有季定型俳句に対応しつつ漢語の詩としての面目を保つのは
 労多くして得るところがあまりない。
 端的に言えば短か過ぎる。
.
 また、二・二・三は、
 漢詩の句作りを知らず五七五を信奉する日本の俳人の
 理解を得ることは困難。
 五七五は短長短なのだから
 二・二・三ではなく二・三・二がよいと思うだろう。
 現に著名な俳人であるA.A氏は
 漢語俳句は二・三・二の七言で詠むのがよい
 そう中国側へ提案したい
 と言ったと聞いている。
 今は亡き漢詩の詩友で俳人のM.Kさんからそう聞いたのだが
 A.A氏
 漢詩の句作りをまるで知っていないし
 二・三・二の句作りがありえないを知らないことはともかく
 和文の有季定型俳句と同等のものを中国の詩人に求めることは
 寝言としか思えない。
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 中国語で二・三・二はありえない
 というのは言いすぎかも知れない。
 二・三・二そういう句作り
 やってできないことはない。
 私ならできる。
.
     七言俳句・黄 落      2016.09.06 -47243
.
 黄落,喜對酌,歡樂。
 ○仄,●●平,○仄。
    ○:平声。●:仄声。平/仄:中華新韻二波平仄両用の押韻。
.
  黄落,
  喜ぶは對酌,
  歡樂。

 この句は二句目の三字句を一・二にし、その一字を領字として
 三句目にもかかるようにしている。
 つまり

  黄落,喜對酌,(喜)歡樂。

 という句作り。意味内容は

  黄落,喜對酌歡樂。  黄落, 對酌し歡樂するを喜ぶ

 であり

  黄落, 對酌するを喜び歡樂する

 ではない。

 二・三・二
 二・三(一・二)・二ならなんとか詠める。
 しかし
 だれもそれを詠もうとはしないだろう。
 七言で読むなら二・二・三が漢詩の詩律であり
 それに比べ
 二・三・二がよいとはいえない。
 短長短なら
 意味内容は和文の短歌以上になるとしても
 やはり
 漢俳五七五がよい。

     漢俳・黄 落        2016.09.06 -47244
.
 連襟踏黄落。吟競俳人共野酌,村醪適燕樂。
 ○○●○仄。○●○○●●平,○○●○仄
    ○:平声。●:仄声。平/仄:中華新韻二波平仄両用の押韻。
.
  襟を連ねて黄落を踏む。
  吟じて競ひし俳人 野酌を共にすれば,
 (吟じて競へば)村醪 燕樂に適ふ。
.
 また、二・三・二よりも
 二・三・三と八言に詠むのがよい。

     八言俳句・黄 落      2016.09.06 -47245

 黄落,上紅閣,爲墨客。
 ○仄,●○平,○●仄。
    ○:平声。●:仄声。平/仄:中華新韻二波平仄両用の押韻。

 黄落,
 紅閣に上り,
 墨客となる。
.
 この作は黄、紅、墨(黒)の三色で遊んでいる。
 しかし、ここまでできれば

     十一字令・黄 落      2016.09.06 -47246

 金秋踏黄落,上紅閣,爲墨客。
 ○○●○仄,●○平,○●仄。
    ○:平声。●:仄声。平/仄:中華新韻二波平仄両用の押韻。

  金秋 黄落を踏み,
  紅閣に上り,
  墨客となる。

 さらに

     漢俳・黄 落        2016.09.06 -47247

 金秋踏黄落。連襟探勝上紅閣,傾杯爲墨客。
 ○○●○仄,○○●●●○平,○○○●仄。
    ○:平声。●:仄声。平/仄:中華新韻二波平仄両用の押韻。

  金秋 黄落を踏む。
  襟を連ねて 勝を探り紅閣に上り,
 (襟を連ねて)杯を傾け墨客となる。

 さらに

     五絶・黄 落        2016.09.06 -47248

 金秋踏黄落,白首上紅閣。墨客共杯酒,裁詩更對酌。
 ○○●○●,○●●○平。●●●○●,○○●●平。
    ○:平声。●:仄声。平/仄:中華新韻二波平仄両用の押韻。

  金秋 黄落を踏み,
  白首 紅閣へ上る。
  墨客 杯酒を共にし,
  詩を裁し更に對酌す。

 つまりは、
 漢詩人にとっての短詩には
 定型あるいは定型化が可能な詩体が
 十七音以下でも多数あり
 どうしてもこの詩体でなければならない
 ということにはならない。
.
 だから
 そのあまたある詩体からどれを選ぶのかは
 そのときどきの思い付き とか
 行きがかり とか。
.
 あれで詠むのもこれで詠むのもよし
 平仄を調え押韻すれば
 定型詩体である。
 その詩体がかつて詠まれていなければ
 新詩体として提案すればよい。
.
 漢詩人は詩体から実に自由なのだ。
 その立場から見れば
 俳句は五七五でなければならない
 という俳人の定型観は
 とても貧乏に思えるし
 漢語俳句二・三・二を提唱する大家がいるとすれば
 その定型観
 その無知
 可哀想でさえある。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
欣赏佳作。
金秋踏黄落,白首上紅閣。四色,美句
墨客共杯酒,裁詩更對酌。共,更,用得真好,学习。
一地清愁
2016/09/07 09:12
ありがとうございます。
更字は一地清愁さんの詞に学んでいます。
獅子鮟鱇
2016/09/07 15:50

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