獅子鮟鱇詩詞

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zoom RSS 眉墨の芯また折るる颱風裡 みなと

<<   作成日時 : 2016/10/28 11:41   >>

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 眉墨の芯また折るる颱風裡 みなと
 http://rimado.at.webry.info/201610/article_13.html

 昨晩、すでにコメントさせてもらったが、
 上掲句、とてもおもしろかった。
 眉墨という小さなものと颱風という大きなもののギャップに趣きがあり、
 そのギャップを「また折れる」と動詞がつなぎ、折れる木々も連想され
 「颱風」という言葉に流れよくつながる。
 「また」には、みなとさんの住む北海道、今年は颱風がとても多かった
 というニュース性につながる。

 感あり、玉作を三四三に作る漢語俳句、曄歌に翻訳してみたくなった。
 俳句の翻訳としては、
 原作の語順を尊重するのがよく
 原作にない語は加えないのがよい。

     曄歌・画眉筆   2016.10.27 -47592    

  画眉筆,再三折了,颱風裡。

  ●○仄,●○○●,○○仄。
     ○:平声。●:仄声。仄:中華新韻十二斉仄声の押韻。

  この作はほぼ原玉に忠実、二押韻
  眉墨の芯→画眉筆
  また→再三
  折るる→折了(折れた)

 押韻をし、平仄も整っていて
 翻訳としてはこれでよいのだが
 俳句は三句の短詩であることを踏まえ
 三押韻の句作りに努めている私としては、
 次の句譜を考えたい。

  △△仄,▲●△平,○●仄。あるいは
  △△仄,▲●○平,●○仄。
   ○:平声。●:仄声。
   △:平声が望ましいが仄声でもよい。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
   平/仄:同じ韻部の平仄両用の押韻。上記では仄声を主とし、平声を副としする。

 この句譜に従うなら
 颱風裡○○仄は、句頭に移動し
 画眉筆●○仄は句末に移動しなければならない。
 また、中四の▲●○平の韻字は
 裡、筆と同じ韻部の中華新韻十二斉のなかから兮を選び
 ▲●折兮で考えることにした。
 「兮」は語調を整える助辞、特段の意味はない。

  颱風裡,▲●折兮画眉筆。

 ▲●のところ再三●○を再四●●にかえればよい。

     曄歌・画眉筆   2016.10.27 -47592 -2

  颱風裡,再四折兮画眉筆。


 しかし、颱風裡と画眉筆の語順の入れ替えで、
 折をめぐって動詞と主語が倒置され
 何が折れるのかがわかりにくくなった。

 わかりにくい といえば原玉、もともと
 颱風と眉墨の芯が折れるということの関連がわかりにくい。
 颱風だと眉墨がなぜ折れるのか
 誰が折るのか
 そういう疑問が残る。

 疑問が残る。
 そこで何をいっているのかわからん
 という人もいるかと思う。しかし
 その疑問を解こう というのが
 俳句を読む醍醐味。
 疑問は、想像力の泉。
 俳句の読者には
 そのわかりにくいところにあれこれ思いをめぐらせる喜びがある。
 俳句の翻訳は
 そのあれこれの思いを具体化するものでもあり

  颱風裡,再四折兮画眉筆。

 この句の流れをよくする ということで

     曄歌・画眉筆   2016.10.27 -47592 -3

  颱風裡,對鏡折兮画眉筆。

 對鏡で鏡に向かう主語(つまり「人」)を暗示できるので
 これにより
 折の意味が「折るる」→「折る」に代わり
 流れがよくなった。
 さらに あれこれ
 画眉筆を折るのが漠然と「人」つまりは句中の「私」でよいのか
 画眉筆を折る必然性を盛り込むべきではないか
 と思い

     曄歌・画眉筆   2016.10.27 -47592 -4

  颱風裡,織女折兮画眉筆。

 織姫が牽牛とのデイトに出かけようとしたのに颱風襲来。
 デイトに行けず
 悔しいので画眉筆を折った
 そんな短詩に仕上げた。

  颱風に織女折りけり画眉の筆

 原玉とは離れてしまったし、
 説明的で読者の想像力を損なう句になってしまったが
 読者としての私が原玉をどう読み
 どう空想したか という点では実り多い一作となった。

      七絶・織女折画眉筆     2016.10.28 -47593

  颱風卷雨襲天漢,對鏡花顔織女悲。流涙折兮画眉筆,思君戀戀不能飛。
  ○○●●○○●,●●○○●●平。○●○○○●●,○○●●●○平。
                ○:平声。●:仄声。平:中華新韻五微平声の押韻

  颱風 雨を卷いて天漢を襲ひ,
  鏡に對せし花顔 織女悲し。
  涙を流して折れり 画眉筆,
  君を思うひ戀戀たるも飛ぐ能はずんば。

 短歌
  颱風のためにデートの適はずんば織女は折れり眉えがく筆

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
欣赏佳作。
流涙折兮画眉筆,思君戀戀不能飛。恋恋二字,用得真好。
一地清愁
2016/10/28 14:36
こんにちは!
みなとの愚句を取上げて下さり
有難うございます。

NHK俳句の投句は、
漢語俳句での投稿なのでしょうか?
それとも・・575?
季語無しの無季俳句でしょうか?

何時も気になっております<(_ _)>
みなと
2016/10/28 16:08
一地清愁7さま
 恋恋、ありがとうございます。
 全体、思うように筆が進まず、恋恋だけはこれしかない、という思いでよみました。
獅子鮟鱇
2016/10/28 20:12
みなと様
 みなとさんの発想、羨ましく思っています。
 また、NHK俳句は、三押韻の七言漢語俳句で投稿、読みは五七五で季語ありになるようにしています。
 読者としては、素堂とか蕪村とか、江戸の俳諧人を想定しています。
獅子鮟鱇
2016/10/28 20:22

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