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zoom RSS 一地清愁さんの玉句「題花韻葉含愁展」をめぐって と七言俳句 

<<   作成日時 : 2017/04/17 07:06   >>

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      踏莎行・幾張箋紙驚風亂     一地清愁
.
  夢破東窗,香出南院。高高枝上春開滿。蝶隨小影往來頻,思回舊日飄忽遠。
  踱步輕輕,拂衣緩緩。題花韻葉含愁展。一行歲月落眉間,幾張箋紙驚風亂。

  夢は東窗に破れ,
  香りは南院を出づ。
  高高と枝上に春開き滿つ。
  蝶は小影を随へて往來すること頻りにして,
  思ひは舊日へ回(かえ)り飄忽として遠し。

  踱步(あゆみ)は輕輕,
  拂衣(なびく衣)は緩緩。
  花を題とすれば韻葉は愁ひを含んで展(の)ぶ。
  一行の歲月 眉間に落ち,
  幾張りかの箋紙 風の亂るるに驚く。

 読み下しはとりあえずのもの。
 一地清愁さんの詩の日本語への翻訳は
 漢語にとっては余計な「てにをは」や動詞の活用形を付与することで
 原作の良いところを削いでしまう。

 たとえば
 題花韻葉含愁展 は
1 花を題とする韻葉は愁いを含んで展(の)ぶ
2 花を題とすれば韻葉は愁いを含んで展(の)ぶ
3 花を題とする韻葉は愁いの展ずるを含む
 仮名をどう加えるかで
 意味もなく混乱する。

 作者は何を表現しようとしているのかを
 日本語の文脈で考えるのはよくない。
 むしろ
 ここで注目すべきは
 「韻葉」が漢語の措辞の上でどう使われているかということ。
 「題花韻葉」は
 花を題とする韻葉 でも
 花を題とすれば韻葉 でも
 どちらでもよく
 花をもとに詩を書くことだと理解できればよい。
 「題花」その後ろに「韻葉」とあるので
 花を題として詩を詠むことだ と理解すればよい。

 ここで「韻葉」は
 成語としては
「韻字を標とするための竹片や木片で詩を作る時に韻を定めるために用いる」道具だ。
 たとえば柏梁体などでどの韻にするかを選ぶ籤。
 一地清愁さんもその意味で使っていると思ってもよい。

 しかし
 韻葉の前に題花とあり
 葉と花が互いに呼応し
 「題花」という花に
 「韻葉」という葉があるというイメージが浮かぶ。
 これにより
 「題花」という詩を作ることと「韻葉」という詩作りの道具が
 自然界の花と葉と融合し
 その葉が展(のびひろ)がることになる。

 そして「含愁」
 詩作りも、目に映る花と葉も
 もろともに愁いを含み
 形象と心象が渾然一体化する。

 そこで 一地清愁さんの句は、日本語での理解では
1 花を題として(詩情は)愁いを含んで展ず(展開する)
2 韻は愁いを含んで展ず(展開する)
3 葉は愁いを含んで展びる
 という多義性を含むことになる。

 「韻葉」は成語である。
 しかしその成語が 一地清愁さんの詩のなかでは
 韻でもあり
 葉でもある
 ということになる。

 ここで 私が学んだのは
 成語を構成している一字一字に着目して詩を詠むということ。
 成語を構成している一字だけに着目すれば
 成語の意味は毀れるが
 それが詩想の新しい展開になればよいのではないか
 そう思いながら
 韻葉という言葉に触発され

     七言俳句・韻 葉       2017.04.16 -48785

  韻葉仙蝶撒星雪。
  ●仄○平●○仄
     ○:平声。●:仄声。平/仄:中華新韻三皆平仄両用の押韻。

  韻葉(インヨウ)は仙蝶の撒く星と雪
 あるいは
  韻葉(インヨウ)や仙蝶は撒く星と雪

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
谢谢先生的分析。
花和叶,是衬字。
题目和词韵,像话和叶一样,含着愁思,展开了。
一地清愁
2017/04/18 09:29
>花和叶,是衬字。
 题目和词韵,像花和叶一样,含着愁思,展开了。
 なるほど。よく理解できました。
 襯字の働き、日本語では表現できませんが、和訳は
 題は花 韻は葉のごと愁いを含んで展ず
 とするのがよさそうです。
 
獅子鮟鱇
2017/04/18 09:58

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