獅子鮟鱇詩詞

アクセスカウンタ

zoom RSS 同工異曲 櫻no.672

<<   作成日時 : 2012/06/03 15:33   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 今年1234首目は、『欽定詞譜』所載の詞のなかで「鶯啼序」に次ぐ長さの「勝州令」。

      勝州令・春賞櫻雲      2012.06.03 -1234 no.672

  晩年少要務,形骸無恙,散人隨歩。曳鳩杖、暫登石磴,路到盛春丘阜。櫻雲噴涌,雪花恰似胡蝶舞,避塵網,振翅飛無數。老殘在樂土,花底如仙府。
  山湖釣舸,泛翠漣、横明鏡,畫船踏波將渡。坐茅店、嘆賞風光,傾杯暫作酒虎。青娥笑勸玉漿,濁醪如牛乳,漸漸洗滌,美祿流腸肚。醉來思不止,且枕肱入霧。
  霞洞飲花露,使人游魂遁走世路。覯羽客、對飲乘興,執筆擬唐裁賦。詩魂高翔,俯瞰好景生情,摘句有趣,斷章堪看顧。夕暮擅韵事,信口揮鬼斧。
  香夢醒、白頭伸欠,望紅霞、赤烏歸處。善哉未忘却,七絶雅正,詠懷清楚。聳肩朗朗飛聲,和黄鶯,迂叟搖吻吐,雁語伴銀兎。

  晩年 要務少なく,
  形骸 恙無く,
  散人 歩に隨ふ。
  鳩杖を曳き、暫く石磴を登れば,
  路(みち)盛春の丘阜(おか)に到る。
  櫻雲 噴いて涌き,
  雪花 あたかも似る 胡蝶 舞ひ,
  塵網を避け,
  翅を振って飛うこと無數。
  老殘 樂土あり,
  花の底は 仙府のごとし。

  山湖の釣舸(つりぶね),
  翠漣に泛(う)かび、明鏡を横に,
  画船 波を踏んでまさに渡らんとす。
  茅店に坐り、風光を嘆賞し,
  杯を傾け暫く酒虎となる。
  青娥 笑って勸むる玉漿,
  濁醪 牛乳のごとし,
  漸漸と洗滌し,
  美祿 腸肚に流れ。
  醉ひ來たれば思ひて止まず,
  まさに肱(ひじ)を枕に霧に入る。

  霞洞に飲む花の露,
  人をして魂を遊ばせ世路より遁走せしむ。
  羽客に覯(あ)ひ、対飲して興に乗り,
  筆を執り唐に擬(なら)って賦を裁す。
  詩魂 高く翔んで,
  好景を俯瞰すれば情を生じ,
  句の趣きあるを摘み,
  章の看顧するに堪ふるを斷つ。
  夕暮れに韵事をほしいままにし,
  口にまかせて鬼斧を揮ふ。

  香夢 醒め、白頭 伸欠(あくび)し,
  望むは紅霞、赤烏の歸るところ。
  善き哉いまだ忘却せず,
  七絶 雅正にして,
  詠懷の清楚なるを。
  肩を聳やかして朗朗と聲を飛ばし,
  黄鶯に和し,
  迂叟 吻(くち)をゆらして吐けば,
  雁語 銀兎を伴ふ。

  銀兎:月

 勝州令 詞譜・215字
  ●○●●仄,○○○●,●○○仄。●○●、●○○●,●●●○○仄。○○○●,●○●●○○仄。●●●,○●○○仄。●○●●仄,○●○○仄。
  ○○●●,●●○、○○●,●○●○○仄。●○●、●●○○,○○●●●仄。○○●●●○,●○○○仄。●●●○,●●○○仄。●○○●仄,●●○●仄。
  ○●●○仄,●○○○●●●仄。●●●、●●○●,●●●○○仄。○○○○,●●●●○○,●●●●,●○○○仄。●●●●●,●●○●仄。
  ○●●、○○●●,●○○、●●●仄。●○●●●,○○●●,●○○仄。●○●●○○,●○○,○●○●仄,●●●○仄。

 この詞牌、『欽定詞譜』には用韵がはなはだ雑である、とある。
 確かに、平仄の規律(二四不同・二六同)に合わないところが多く、平声ばかり・仄声ばかりという句が目立つ。
 また、『欽定詞譜』所載の鄭意娘の押韻は、宋の時代、通常は入声を別立てとしている『詞韵』に從って押韻しているのに、入声と平声を通用している。
 つまり、12世紀に生きた鄭意娘の時代の北宋では、入声がすでに消えて一部は平声に、一部は上声あるいは去声に吸収されていることが窺え、興味深い作例である。

 なお、鄭意娘は、靖康の変で金に捕まったが、操を守るために自刎した女流詩人。

画像

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
同工異曲 櫻no.672 獅子鮟鱇詩詞/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる