獅子鮟鱇詩詞

アクセスカウンタ

zoom RSS 文字の力を信じ古い詩体に息を吹き込む 一七令二首 『文』と『字』

<<   作成日時 : 2016/09/11 09:49   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

 記録し伝える媒体として録音や録画が発達したのは近年のことで
 人類の長い文明史に照らせばまだまだ日が浅い。
 絵や絵文字、寓意を含んだ絵画や文字による伝達の歴史と比較すれば
 録音や録画つまりは音と映像を媒体とする伝達手段の歴史は
 もはや死にかけている文字という老人に対し
 生まれたばかりの赤ん坊 さらには
 受精したばかりの新しい生命
 に喩えてもよいだろう。
.
 録音や録画には輝かしい未来があり
 文字を媒介とする伝達手段には先細りの感がある。
 文字による表現は
 映像や音声による表現に太刀打ちできず
 たとえば
 感動を詠んで文字に記録する詩歌は
 ボタンひとつで美しい風景を自然から盗み取るビデオの前で
 死に絶えつつある。
 そうも思える。
 とくに詩は
 もはや瀕死。
.
 もちろん文字には文字の強さがあり
 すぐれた詩歌は
 だれでも映せるビデオよりも
 ずっと深い感動を記録できるだろう。
 だから
 筆と墨と紙が実現している文字の力を
 ビデオやパソコンやソマホの音と映像の力と
 比較することはよくないかも知れない。
 それらは共存する。
.
 ただ
 ビデオやパソコンやソマホに多くの時間を割けば
 詩を書いたり
 短歌や俳句を詠んだり
 ブログを更新したりして
 文字と親しむ時間が少なくなる。
 つまり 文字は
 テレビやゲームやCDの音声・映像と共存しつつ競合し
 わたしたちの文字力は
 この数十年の間に
 とても衰えている。
.
 きょうはそれが少し悲しい。
 だから
 文字の強みを考えてみたい。
 今から千年以上前の唐の時代の古い詩体を借りて詩を詠むことで
 「文字」の強みを称えたい。
.
 今日の録画や録音が千年後にも視聴できるのかどうか
 だから
 千年以上前の唐の時代の古い詩体を借りて詩を詠むことで
 その詩体の粋を今でも再生できることを祝う。
 千年の時を超える文字の
 再生力を祝う。
.
      一七令 『文』

           文,
         字美,思純,
       傳百世,到千門。
      風流傾酒,韻事遊魂,
    騷人揮醉筆,箋紙種情根。
   冩句飛鴻印雪,讀詩枯木逢春。
 放聲朗朗懷終古,裁賦揚揚試創新。

      一七令 『字』

           字,
         含靈,述志,
       動七情,傳百世。
      虎飲八斗,龍生九子,
    騷客傲孤高,詩風吹不止。
   辭藻地長天久,音曲朝生暮死。
 濃春求句賞千紅,清晝染箋摘萬紫。


 (以下、原作および読み下し)

      一七令・文       2016.09.11 -47286

  文,字美,思純,傳百世,到千門。風流傾酒,韻事遊魂,騷人揮醉筆,箋紙種情根。冩句飛鴻印雪,讀詩枯木逢春。放聲朗朗懷終古,裁賦揚揚試創新。

 文,
 字は美しく,
 思いは純に,
 百世に伝はり,
 千門に到る。
 風流に酒を傾け,
 韻事に魂を遊ばせ,
 騷人(詩人)醉筆を揮ひ,
 箋紙に情根を種(う)う。
 句を冩(か)くは飛びたつ鴻の雪に印すにして,
 詩を読むは枯木の春に逢ふなり。
 聲を放ちて朗朗と終古(いにしえ)を懐かしみ,
 賦(作詩)を裁して揚揚と創新を試む。

 一七令 詞譜・單調55字,十三句,七平韻 白居易
  平。▲●,○平。○▲●,●○平。○▲△●,▲△▲平。▲○○●●,△●●○平。△●●○▲●,▲○△●○平。▲△△▲▲△●,▲▲△△●▲平。
   ○:平声。●:仄声。
   △:平声が望ましいが仄声でもよい。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
   平:平声の押韻。(拙作は中華新韻九文平声の押韻)

      一七令・字       2016.09.11 -47287

  字,含靈,述志,動七情,傳百世。虎飲八斗,龍生九子,騷客傲孤高,詩風吹不止。辭藻地長天久,音曲朝生暮死。濃春求句賞千紅,清晝染箋摘萬紫。

 字は,
 霊を含み,
 志を述べ,
 七情を動かし,
 百世に傳はる。
 虎は八斗を飲み,
 龍は九子を生み,
 騷客は孤高を傲り,
 詩風は吹いて止まず。
 辞藻(美しい詩句)は地長天久,
 音曲は朝生暮死。
 濃春 句を求めて千紅を賞し,
 清昼 箋を染むるに萬紫を摘む。

 一七令 詞譜・單調55字,十三句,七仄韻 韋式
  仄。△○,▲仄。●▲▲,○△仄。●●○●,○○●仄。▲▲●△○,○△○▲仄。○▲●△○●,▲●○○●仄。△○△●●○○,○●●○▲●仄。
   ○:平声。●:仄声。
   △:平声が望ましいが仄声でもよい。▲:仄声が望ましいが平声でもよい。
   仄:仄声の押韻。(拙作は中華新韻十一庚仄声の押韻)

文字だけで勝負!ブログトーナメント - その他日記ブログ村
文字だけで勝負!ブログトーナメント

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
字,
         含靈,述志,
       動七情,傳百世。——好句,深刻。
      虎飲八斗,龍生九子,
    騷客傲孤高,詩風吹不止。
   辭藻地長天久,音曲朝生暮死。
 濃春求句賞千紅,清晝染箋摘萬紫。——扣題。


欣賞佳作。字,為題,以後的展開最是要緊。展得開,又繞得回,學習。
一地清愁
2016/09/13 10:10
ありがとうございます。
 一七令は対句を連ねますが、対句は、前の聯から想の一部を受けていれば、結構繋がるようなところがあり、展開が自由であるように思っています。
獅子鮟鱇
2016/09/13 16:52

コメントする help

ニックネーム
本 文
文字の力を信じ古い詩体に息を吹き込む 一七令二首 『文』と『字』 獅子鮟鱇詩詞/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる